町長所信表明(平成31年2月28日)

はじめに

本日ここに、平成31年紫波町議会3月会議が開会されるに当たり、町政に対する所信の一端を申し上げ、町民の皆様、並びに町議会の皆様のご理解、ご協力を賜りたいと存じます。

 

はじめに、内閣府が発表した本年1月の月例経済報告によれば、我が国経済の景気は、緩やかに回復しているとの基調判断が示されており、先行きについては、雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待されております。一方で、通商問題の動向が世界経済に与える影響や、中国経済の先行きなど海外経済の不確実性、金融資本市場の変動の影響に留意する必要があるとされております。

こうした中、政府は、「経済財政運営と改革の基本方針2018」、いわゆる「骨太の方針」の中で、少子高齢化という最大の壁に立ち向かい、持続的な経済成長を実現していくため、人づくり革命及び生産性革命を実現・拡大し、潜在成長率の引上げを進めるとともに、成長と分配の経済の好循環の拡大を目指し、本年10月1日における消費税率の10%への引上げを確実に実現できる経済環境を整備するとともに、消費税率引上げによる需要変動の平準化に万全を期すとしております。

国の平成31年度予算編成においては、本年10月1日に予定されている消費税率引上げの需要変動に対する影響の程度や経済状況等を踏まえ、歳出改革の取組みを継続するとの方針とともに、臨時・特例の措置を平成31・32年度当初予算において講ずるとしております。

また、新経済・財政再生計画における社会保障改革を軸とする基盤強化期間の初年度として、社会保障関係費や非社会保障関係費等について歳出改革の取組みを継続するとの方針に沿った予算編成を行い、真に必要な施策に予算が重点配分されるようメリハリのついた予算にするとしております。

 

一方、地方財政の状況は、地方税収入や地方交付税の原資となる国税収入がある程度増加するものの、高齢化の進展に伴う社会保障関係経費や老朽インフラ対策に伴う財政需要のさらなる増加などにより、一層厳しい財政運営を強いられるものと受け止めております。

国の地方財政対策においては、地方の一般財源総額について前年度を上回る見込みとなっており、地方交付税は前年度を0.2兆円上回る額が確保されております。また、地方税は0.7兆円の増収、地方譲与税は0.1兆円の増収が見込まれております。

 

本町の財政見通しにつきましては、平成29年度一般会計決算において実質単年度収支が赤字となり、健全化判断比率は国の示す基準に対し健全段階の範囲となっているものの、単年度ごとの収支は非常に厳しい状況にあります。

歳入では、基本財源である町税においても、景気回復基調にあるものの、個人所得への効果はいまだ少ないと考えられ、平成30年度実績にさらなる伸びを見込むことは困難と考えております。

加えて、町の財政調整の要である基金積立金は全国最少レベルにあり、災害等避けがたい一時需要に対応できる基金額を十分に確保できておらず、本町を取り巻く財政環境は近年にない危機的状況と言わざるを得ません。

歳出では、扶助費をはじめとする社会保障関連経費の高齢化による増加や消費税率引上げに伴う社会保障の充実等によって、引き続き増額が見込まれております。

こうした現状を踏まえ、「入るを量りて出ずるを制す」の財政規律を前提とし、「身の丈に合った取組み」を基本に予算を編成する一方で、災害等不慮の事態に対応できる資金を確保することが目下の課題であり、当面、経常収支比率の改善、財政調整基金残高の早期回復に努め、安定的かつ自立的な行財政運営に努めてまいります。

財政健全化と町政の重要課題への対応を両立させるために、職員一人ひとりが常にコスト意識と経営感覚を持つことが大切であり、拡大・多様化する行政ニーズの中で真に行政が担うべきところを検証し、その中でも優先すべきものをしっかり見極め、限られた経営資源である職員、施設及び財源を最適に活用し、創意と工夫で町民の負託に応えてまいります。

 

以下、主要な施策の内容について申し上げます。

1 町民が健康で安心して暮らせるまちをつくります

人生の最期まで元気に健康で、介護も必要としない生活を送ることは万人の願いであります。しかし、年齢を重ねるにつれ、次第に体力が減退していくことは避けがたいことでもあります。このため、普段の生活をいかに健康に過ごし、健康寿命を延ばすことができるかが重要になってまいります。

 

町民の健康づくりの支援におきましては、健康寿命の延伸を図ることに重点を置き、事業を行ってまいります。

母子保健では、家庭訪問や健診を通して、切れ目なく母親に寄り添う支援を心掛けてまいります。乳幼児期からの予防接種では、関係者と緊密に連携し合うことで、高い接種率が維持できるよう取り組んでまいります。

また、並行してインフルエンザや風しん対策など、成人や高齢者にも対応した幅広い感染症対策を展開してまいります。

 

中高年期の健康増進につきましては、「元気はつらつ紫波計画」に基づき健康づくりの重要性について周知に努めているところです。今後も、健康づくりに取り組む方が増えるよう、参加しやすい事業展開に努めてまいります。

 

次に、医療サービスについてであります。

子育て支援策の一環として行っております「子ども医療費助成」のうち、小学生への給付につきまして、本年8月から、これまでの償還給付から現物給付へ変更する予定としております。このほか、障がい者などへの助成も含め、利用しやすい医療費助成制度を目指してまいります。

 

国民健康保険につきましては、安定的な事業運営を図るために、事業運営が町から県に移行されて平成31年度で2年目を迎えます。この制度改正の一方で、後期高齢者医療制度や介護保険制度への国保負担が年々増加するものと見込まれ、国保制度の長期的安定化が急務となっております。この対策として、特定健診を中心とした保健事業の充実を図ってまいります。

 

後期高齢者医療につきましては、今後一層加入者が増えることが見込まれることから、加入者の制度理解が進むよう広報周知を継続してまいります。また、町が担当する保険料の分野では、収納率の向上に努めてまいります。

 

次に、支え合う地域づくりについてであります。

町の高齢化率は30%を超え、高齢者世帯の増加が続いておりますが、高齢者が住み慣れた地域で安心して生活ができるよう、地域包括ケアシステムの構築を進めてまいります。

 

地域全体で高齢者を支える仕組みづくりでは、シルバーリハビリ体操の普及による高齢者の自立支援とともに、家事援助や認知症の方を見守る人材の育成を進めており、小学生から高齢者まで幅広い年代の方に支え合い意識が醸成されるよう努めてまいります。

 

介護保険につきましては、高齢者人口の増加に伴い、介護サービスの需要も増加することが予想されます。町と介護事業所が連携して、介護を必要とする高齢者が安心してサービスを利用できる制度運営を行ってまいります。

 

障がい者福祉につきましては、町内には障がいをお持ちの方が多くいらっしゃいますが、それぞれ障がいの程度や抱える悩みも異なるため、一人ひとりの声に耳を傾けながら、障がい者の自立した生活の実現に向け支援してまいります。

 

地域福祉につきましては、自助・共助・公助などのバランスがとれた福祉を紫波町社会福祉協議会と連携しながら推進してまいります。

 

最後に、窓口サービスについてであります。

平成29年度から開始したコンビニエンスストアでの証明書の交付は、順調に利用が拡大しております。その利用にはマイナンバーカードまたは住民基本台帳カードが必要となりますが、全国のコンビニで夜間も利用できることから、その利便性が増しております。

一方、役場窓口では来庁されたお客様のご用件をよくお聞きし、関係課と連携を取り合うことで、短時間に満足のいくサービスが提供できるよう努めてまいります。

2 産業振興による地域の活性化と定住が促進するまちをつくります

地方の人口減少対策や活性化対策として、産業の振興は重要な施策と考えております。

 

はじめに、農業振興についてであります。

農業・農村は、私たちが生きていくうえで欠かせない食料を供給する役割をはじめ、その生産活動を通じ、国土の保全、水源の涵養、自然環境の保全、良好な景観の形成、文化の伝承など、多面的な機能を有しており、私たちの暮らしに多くの恵みをもたらしています。

一方で、農業従事者の高齢化や担い手不足、これに伴う耕作放棄地の増加、米政策の転換やTPP11・日欧EPAの発効など、農業農村を取り巻く環境は大きく変化しております。

このような状況の中、本町の主要な産業である農業の持続的発展に向けて、「生き生きと取り組める農業の確立」と、「みんなが住んでみたくなる農村づくり」に取り組んでまいります。

 

農業生産におきましては、主食用米の需給安定に向けて、主体的な生産調整に的確に対応するとともに、収益力向上のため水田を最大限に活用し、高収益作物の導入を進めながら体質の強い水田農業の確立と、野菜・果樹・畜産等の産地形成を支援してまいります。

また、安全安心な信頼される産地確立のため、有機資源を生かした循環型農業や、環境保全型農業の取組みに対する支援を継続してまいります。

 

担い手対策につきましては、人・農地プランの実行ある推進と、農業生産基盤の整備、農地中間管理事業の推進等による担い手への農地の集積・集約化を進めてまいります。また、法人化を志向する経営体や集落営農組織に対し法人化支援を行うとともに、経営の規模拡大や多角化に向けた機械・施設の整備を支援し、収益性の高い農業と効率的で安定的な経営体を育成してまいります。

 

農業を魅力ある産業として次世代に引き継ぐため、親元就農をはじめ新規就農者の確保・育成対策を進めるとともに、就農から自立まで経営の発展段階に応じた指導・支援に取り組んでまいります。

また、情報通信技術や先端技術を実装した機械等の導入による作業の省力化・効率化と経営の高度化、いわゆるスマート農業や、経営の改善につながるGAPの取組みを普及啓発してまいります。

 

農村環境の整備・保全につきましては、農地の維持のために行う地域活動や、地域資源の質的向上を図る活動など、農業がもつ多面的機能を発揮するための集落共同活動に対する支援を行い、地域コミュニティの活性化を図ってまいります。

 

命を育む食と農は、密接な関わりがあることから、食育と地産地消を推進するとともに、地場産農畜産物の魅力を内外に発信し、認知度の向上と新たな販路を開拓し、農業者と消費者の結びつきを深めることで消費拡大を促進してまいります。

併せて、紫波産農畜産物の高付加価値化を図るため、地域の魅力が伝わる新商品の開発を支援し、地域ぐるみの6次産業化と食産業の振興を図ってまいります。

また、町内の産直施設や地産地消レストラン、フルーツパーク等の体験施設をはじめ、農村ならではの伝統文化、美しい田園景観、食の魅力など、豊かな地域資源を生かした体験交流型観光による地域の振興を図ってまいります。

 

ニホンジカ、ツキノワグマなど野生鳥獣による農作物の被害の軽減対策につきましては、地域住民、農業関係機関・団体等と連携し、被害防止活動や侵入防止柵の整備を進めるとともに、適時適切な有害鳥獣駆除に努め、効果的な被害防止対策に取り組んでまいります。

 

森林・林業施策につきましては、森林の適正な保全に努めるとともに、松くい虫被害対策として病害虫駆除と被害木の適切な処理を推進し、被害松林の樹種転換や広葉樹林化に取り組んでまいります。

また、本年4月から、新たな森林経営管理制度がスタートいたします。本制度は、森林の有する公益的機能の発揮に向け、林業の成長産業化と森林資源の適切な管理の両立を図るため、市町村が主体的に役割を担うことが求められているところであり、着実に制度の運用を進めてまいります。

 

木質バイオマスエネルギーの利用促進につきましては、間伐材や林地残材など未利用資源の積極的な活用を図るため、「間伐材を運び隊」等の里山保全活動団体との連携を深めながら搬出量を安定確保し、熱供給のためのチップ原料として有効活用してまいります。

 

次に、観光振興についてであります。

観光交流につきましては、紫波町ふるさと会や姉妹都市日野市との相互交流を一層深めながら、本町の自然や歴史、温泉等の観光資源や特産品を首都圏等へPRし誘客を進めてまいります。町内においては、休日観光案内サービスの充実を図り、来訪者の利便の向上に努めてまいります。

 

地方創生事業として平成29年度から取り組んでいる「あづまねイイ山イイ湯だなプロジェクト」においては、新たな登山道の整備を行い、昨年10月に初めてのトレイルランニング大会を開催いたしました。遠くは北海道、関東など県内外から多くの参加者があり、イベント内容についても高い評価をいただきました。一般の登山客についても着実に増加してきております。この取組みをさらに発展させ、アウトドア関連産業を創出するとともに、ラ・フランス温泉館をはじめ様々な観光資源を活用し、地域の活性化と交流人口の拡大を図ってまいります。

 

次に、商工業の振興についてであります。

雇用の拡大と定住促進のための企業誘致につきましては、工業団地の未利用地をはじめとした候補地のセールス、企業からの問い合わせへの積極的な対応により企業誘致を進めてまいります。

町内企業の経営支援につきましては、商工会や金融機関と協力し、積極的な企業訪問と情報交換に努めるとともに、新卒者や若者などに対し企業情報を提供し雇用対策に取り組んでまいります。

中心市街地活性化につきましては、リノベーションまちづくりの取組みや、商工会・関係団体との連携を図りながら、商店街の賑わい創出を支援してまいります。

また、本年10月からの消費税率引上げに対する経済対策として、プレミアム付商品券の発行を行い、地域における消費の喚起と低所得者・子育て世帯の負担軽減に取り組んでまいります。

 

次に、廃棄物の排出抑制と適正な処理についてであります。

廃棄物につきましては有機・無機の資源と捉え、資源循環に取り組んできたところであります。

有機資源循環の基幹施設であります「えこ3センター」は、家畜排せつ物の適正処理と循環型農業の取組みに寄与しておりますが、引き続き施設の効率的な運営に努めてまいります。

 

し尿及び浄化槽汚泥の処理につきましては、循環型社会形成の拠点施設「紫波町汚泥再生処理センター」が完成し、昨年4月から運用を開始しております。今後も適正かつ安定的な運用に努め、公衆衛生と生活環境の維持・向上に寄与してまいります。

 

無機資源循環につきましては、これまで関係団体の協力を得ながら、3Rの意識啓発や、適切なごみ分別と資源回収を推進し、一定の成果を上げているところではありますが、なお一層の取組みが必要となっております。今後も燃やせるごみの減量を主眼に、地域での説明会の開催や広報を通じ啓発活動を強化してまいります。

 

近年、世界的な気温の上昇傾向や大雨・豪雨の増加など、気候変動による影響が様々な形で現れ始めており、CO2排出削減の取組みが大きな課題となっております。

地球温暖化対策といたしましては、循環型エコプロジェクト推進事業により、再生可能エネルギーの活用や間伐材の搬出、新築住宅への町産木材の利用、資源回収の取組みなど、CO2排出削減に結びつく活動の支援を継続してまいります。

また、身近な省エネルギー活動に加え、よりエネルギー消費の少ないライフスタイルへの転換に向けて、個人、家庭における自主的な地球温暖化防止への取組みを普及啓発してまいります。

3 人と情報がつながり快適で安全なまちをつくります

快適・安全で暮らしやすさを実感できるまちづくりの実現には、町民の日常生活を支え、地域経済の活性化の役割を担うインフラの安全性、信頼性を確保するための取組みはもとより、将来を見据えて的確に対応していくことが必要と考えております。

このため、インフラが本来持つ機能を最大限に発揮できるよう、整備とのバランスを取りながら、施設機能の維持・更新等を着実に進めてまいります。

 

はじめに、町民の暮らしを支える道路につきましては、安全性・利便性の向上を図るため、生活道路の改良舗装、通学路における交通安全対策、地域との協働による町道等の整備を進めるとともに、国道4号北日詰交差点の改良事業に関連して、町道城内線に右折レーンの設置を行い、交通事故の削減及び交通の円滑化を図ってまいります。

 

道路施設の老朽化対策につきましては、予防保全の考えに基づいて維持補修を進めるとともに、橋梁の効率的な管理によるコスト縮減を図るため、これまでの法定点検の結果を反映して長寿命化修繕計画の見直しを行うなど、施設機能の適正化に向けた取組みを進めてまいります。

 

都市公園の管理につきましては、利用者の安全を確保する観点から、老朽化対策や遊具の事故防止対策を講ずるとともに、愛護会や地域の団体等と連携・協力し、施設管理の一層の充実に努めてまいります。

 

治水・雨水対策につきましては、近年発生した冠水・浸水被害の最小化を図るため、河川や水路等の浚渫や補修、鉄道アンダーパスの排水機能の確保など、効果的な対策の実施に取り組んでまいります。

北上川の堤防整備につきましては、安全で安心な暮らしの確保はもとより、ストック効果による地域経済の向上の観点から、事業費の増額と安定的な予算の確保を図り、整備が加速化され早期に完了していただくよう、国に対し引き続き働きかけてまいります。

 

都市計画事業につきましては、情勢の変化に即した土地利用計画、都市計画道路等の整備計画の見直しに関する検討を行い、引き続き都市計画区域内における開発行為に対して適切な対応に努めてまいります。

 

都市計画道路北日詰朝日田線と主要地方道紫波インター線との交差点につきましては、平成31年度に県道側の右折レーン整備が完了することで、朝の通勤時間帯における渋滞の緩和が期待されます。

 

同様に、朝夕の通勤通学の時間帯、駅利用者等で混雑し、交通安全上の危険性が高い古館駅周辺の整備につきましては、駅前回転広場整備が国の補助事業に採択され、財源の目処が立ったことから、関係地権者との細部条件のすりあわせを行い、事業開始に向けて地域住民のご意見もお聞きしながら実施計画を策定し、早期完成を目指して整備を進めてまいります。

 

住宅施策につきましては、現有の町営住宅施設の長寿命化に努めるとともに、維持管理手法の検討を進めてまいります。また、災害に強い居住環境の推進の観点から、個人所有の老朽木造住宅の耐震対策に関する普及啓発に取り組むとともに、耐震診断及び改修の支援を継続してまいります。加えて、東日本大震災で被災された方に対しましては、県と協力して、引き続き生活再建支援を行ってまいります。

 

町内における空き家等の対策につきましては、紫波町空家等対策計画に基づき、空き家等の所有者に対して適正管理の啓発と指導を行うとともに、新たに立ち上げました空き家バンクの運営による市場流通の活性化を図り、地域資源としての有効活用に向けた施策を展開してまいります。

 

下水道事業につきましては、平成29年度末における本町の汚水処理人口普及率は91.8%であり、岩手県の平均80.8%、全国平均の90.9%を上回る水準となっております。

その反面、下水道事業経営は、設備投資した資本の回収に長期間を要する経営構造であることから、一般会計からの繰出金に依存せざるを得ない状況であり、赤字決算が続いております。

このことから、平成31年度においても、下水道中期ビジョンの基本理念である「ゆたかな環境をつくり、快適な暮らしを未来につなげる下水道」の実現に向け、紫波浄化センターにおける包括的民間委託等の経営改善策を継続するとともに、維持管理費の縮減、水洗化率の向上に努めてまいります。

また、このような下水道事業の現状について、町民の皆様にご理解を得られるよう、統合報告書等により情報公開に努めてまいります。

 

汚水処理施設の整備につきましては、公共下水道の未普及地区における管路整備、農業集落排水処理施設の設備更新、町管理型浄化槽の整備を実施してまいります。

 

雨水排除につきましては、将来の事業化に向け、各排水区の雨水管理総合計画の策定に着手してまいります。

 

水道事業につきましては、岩手中部水道企業団に対し、安全・安心な水道水を安定的に供給するよう、構成市町の立場から働きかけてまいります。

また、町が管理運営を行っている5地区の簡易給水施設等につきましては、岩手中部水道企業団への移管を目標に、引き続き具体的な協議を進めるとともに、経年化が著しい管路及び配水施設の更新を行ってまいります。

4 まちを誇りに思える子どもや豊かな人生と心身ともに健康な人を育てます

教育は人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。これは教育基本法第1条に定められた「教育の目的」であります。

このことに鑑み、紫波町を発展させていくための重要な施策の一つが、「人づくり」すなわち「教育」であると考えております。私は「ふるさとを誇りに思える子どもを育むまち」を政治信条とし、その実現に向け、子どもたちの学力や生きる力の育成、スポーツ振興と体力向上等に鋭意取り組んでまいりました。町民一人ひとりが人格を磨き、豊かな人生を送ることができるよう、その生涯にわたって、あらゆる機会や場所で学習することができるよう努めてまいります。

 

学校教育につきましては、学務課、学校教育課の2課体制のもと、引き続き町民憲章の実現に資する教育活動を展開してまいります。将来を担う子どもたちに対し、知・徳・体のバランスの取れた資質・能力の育成に努めるとともに、社会の変化に対応できる資質・能力と、グローバルな感性を備えた心豊かな人間の育成を目指してまいります。

本町におきましても、少子化の進行が課題となっておりますことから、平成26年度から継続して「少子化の時代における紫波町立学校の教育の在り方」について検討してまいりました。今般、その集大成とも言える「紫波町立学校再編基本計画(案)」につきまして、本3月会議においてご審議いただくこととしております。

議決いただきました折には、平成31年度以降、(仮称)開校準備委員会を設置し、保護者や地域の皆様、有識者及び学校関係者の意見をいただきながら、新たな学校教育の充実に向け取り組んでまいる所存であります。

また、法制化により導入の義務化が見込まれている「学校運営協議会」いわゆる「コミュニティ・スクール」につきましては、地域に開かれた学校の実現を期すため、関係者と協働しながら準備を進めてまいります。

 

学校給食につきましては、子どもたちの心身の健全な発達に資するべく、食に関する正しい理解と適切な判断力を醸成し、自らの健康を自らが管理していける能力を身に付けていけるよう、学校教育の一環として推進してまいります。なお、平成31年度から、調理及び配送等の業務を民間事業者に委託することとしております。

 

次に、生涯学習・社会教育についてであります。

近年、町民の生涯学習に対するニーズは情報環境の進展と相まって、多様化・高度化しており、自発的、自主的な活動が多くなってきております。このことから、町民の学びの拠点である中央公民館、各地区公民館、野村胡堂・あらえびす記念館、紫波町図書館、各体育施設におきましては、地域の学習拠点及び芸術・文化・スポーツの充実発展の拠点として、一層の機能発揮に努めてまいります。また、教育振興運動、埋蔵文化財の調査・活用及び伝統芸能の継承、情報化の進展への危機管理や対応等、社会の情勢に対応しつつ、その充実に努めてまいります。

平成29年7月に設立いたしました東京オリンピック事前キャンプ紫波町誘致委員会につきましては、盛岡市との連携により、引き続き、カナダのバレーボールナショナルチームの事前キャンプ誘致に取り組むとともに、夏に開催されるラグビーワールドカップに向けても、町民の機運醸成に努めてまいります。

 

最後に、子どもの育ちと子育てについてであります。

就学前児童につきましては、保育所または学童保育施設に入所できない児童、いわゆる待機児童の増加が課題となっております。子育て中の女性に対する就業機会の拡大や、施設の受入制限の緩和、町内へ子育て世代が転入するなどの背景がありますが、公立施設の定員の拡大や民間事業者による小規模保育事業の参入を図ることで、その解消に努めてまいります。なお、町の保育所・児童館の在り方等について、将来を見据えた検討が必要であると考えております。

また、懸案であります赤石地区の放課後児童対策につきましては、地元の学校法人が放課後児童クラブの開所に向け取り組んでいる状況であることから、町といたしましても支援・協力してまいります。

5 対話と協働を進め、安全で豊かさを実感できるまちをつくります

交通事故、犯罪のないまちづくりにつきましては、関係機関及び関係団体と連携し、それぞれの家庭や地域から被害者を出さないための取組みを推進してまいります。

 

消防活動の充実強化及び防災体制の整備につきましては、近年、大雨による大規模災害が頻発しており、町民の防災への関心が高まっております。平成31年度は、消防車両等の計画的な整備を進めるとともに、広報活動を通じて地域の防火意識の向上を目指してまいります。また、防災等に関する情報伝達手段について、さらなる充実に向け継続して取り組むとともに、地域の実態に即した防災活動及び避難行動が取れるよう、自主防災組織の体制強化を支援してまいります。なお、紫波消防署の庁舎移転建設事業につきましては、本年7月上旬の開庁を目指し、現在、建設工事が進められております。

 

総合計画につきましては、現在の第二次総合計画が平成32年度で終了することから、次期総合計画の策定に向けて平成30年度から市民ワークショップを開催しており、平成31年度は審議会や意見公募などを行ったうえで、成案化を図ってまいります。

 

地域情報化インフラの確保につきましては、岩手中央農業協同組合が運営する有線放送事業の廃止により、彦部地区の一部及び佐比内地区において、固定回線によるブロードバンド環境の喪失の恐れがあることから、岩手中央農業協同組合の協力を得ながら、ADSLサービスを提供している事業者への支援を行ってまいります。平成31年5月までADSLサービスの利用期間を延長するとともに、引き続きNTT東日本と光ファイバーの整備について協議してまいります。

 

公共交通につきましては、昨年、岩手県交通よりコミュニティバス「すこやか号」の撤退の意思表明があったことを受け、代替えとなる公共交通を模索してまいりました。平成31年度は公共交通計画を策定したうえで、デマンド交通の実現化に向けて取り組んでまいります。

 

地域づくりにつきましては、人口減少や少子高齢化が進む中で、地域の暮らしを守るため、地域で暮らす人々が中心となって課題解決を図る「ちいきの未来を考える勉強会」を各地区で開催してまいりました。

さらに、平成30年度に地域運営組織等モデル事業を創設し、古館地区と赤沢地区の任意団体をそれぞれ指定し、地域課題を調査するとともに組織形成の支援を実施いたしました。平成31年度も継続して支援するとともに、新たな地域指定を目指し他地区についても働きかけてまいります。

 

税務事務につきましては、適正・公平な税務行政を推進するとともに、負担の公平の観点から引き続き収納率の向上に努めてまいります。

 

町有財産につきましては、遊休資産及び低利用の資産について、積極的に売却もしくは民間利用を進め、税外収入の確保に努めてまいります。

 

また、ふるさと納税につきましても、返礼品の品目拡大や首都圏等でのPRを積極的に行い、寄付額の増加に努めてまいります。

むすびに

町を発展させるためには、これまで町が積み上げてきた歴史と伝統が出発点となります。私たちは、この歴史と伝統の先にあるものを見据え、紫波町の明るい未来のために、過去のまちづくりの歴史や伝統を活かしどのように発展させるのかを考えなければなりません。我が国には、人口減少、少子高齢化といった課題が重くのしかかっておりますが、決して悲観するのではなく、発展はこの先にあるのだという強い信念をもって、まちづくりを進めていく所存であります。

 

町民が将来にわたって安心して暮らしていくためには、社会保障をはじめ暮らしを支える社会インフラも必要不可欠であり、それらを維持していくために安定した財政基盤の確立と、良質で効率的な行政サービスの提供が必須であります。近年多発する災害をはじめ公共施設の老朽化など、大規模かつ特定の年度に集中する財政需要に対応できる適正な基金の確保に努めるとともに、実質公債費比率や将来負担比率の健全化にも傾注した柔軟な財政運営を目指してまいります。特にも、財政調整基金による財政調整機能については、将来を見据えた持続可能な財政基盤の確立に向け、一段と強化する時期と考えております。

 

平成30年度は国の地方創生推進交付金を活用しながら、西部地区において「あづまねマウンテントレイル」を初開催するなどの実績ができました。また、東部地区では、赤沢地区の「KOMABAテラスプロジェクト」、佐比内地区の「レストランぶどうの樹」のリニューアルなど、住民が主体となる地域運営の基盤は整いつつあります。本年は、地方創生の流れを東部地区へ向けてまいりたいと考えております。

 

町の中央部では、現在も新しい住宅の着工が続いております。引き続き、定住人口確保のため、中心市街地の魅力向上に取り組んでまいります。

 

現在、町は第三次総合計画の策定に取り組んでいるところであります。今後10年間の町の羅針盤となる計画であり、職員、そして町民の方々の参加によって、議論を重ねているところであります。この策定過程において、未来の町の姿を想像し、地域、町民の精神性、価値観などが反映されたまちづくりの理念が形成されつつあると認識しております。

 

今後も都市的なコンテンツの集積と、自然や農村空間が融合した豊かな暮らしを発信しつつ、「暮らし心地のいいまち」を目指して、取り組んでまいります。

 

議員の皆様をはじめ、町民の皆様におかれましては、町の取組みにご理解とご協力をお願い申し上げますとともに、ご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げまして、私の所信表明とさせていただきます。

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