ふるさと物語 85 『地勢関係の地名と屋号』屋号や地名の話(4)

「ふるさと物語」【85】〈昭和46年8月10日発行「広報しわ」(第193)〉

「広報しわ」に掲載された記事を原文のまま転載する形式により、紫波町の歴史や人物について読み物風に紹介しています。
(第1回昭和37年3月号から第201回昭和56年4月5日号まで掲載)
そのため、現在においては不適切とされる表現や歴史認識がある場合がありますのでご了承願います。

『地勢関係の地名と屋号』 屋号や地名の話(4)

地名や屋号のなかには、地形や地勢にもとずいて名づけられたものも少なくありません。
まず、湿地を意味する地名としてヤチ(谷地)があります。これに上中下や南北の位置関係をつけると上谷地・下谷地・谷地中・南谷地・北谷地となり、そこに舘があることから谷地舘の名がおこっています。
サワ(沢)のつく地名には、山の沢と平地の沢の二つがあります。前者は谷川の周辺をさすものであり、後者は旧河道のような低地に停滞水があってアシ・マコモなど水草がはえているところをさします。滝名川の旧河道にそった升沢・野沢・長尾沢は後者の例です。
そして、平地の沢の入口がサワグチ・サングチ(沢口)であり、沢にそって開かれた田のことをサワダ・サンダ・サダ(沢田)と呼んでいます。
また、沢の多い山懐の内側をサワウチ(沢内)といいます。
水のワク所をシズ(清水)と称します。きりの木清水・えの木清水・金田清水・平清水・鬼清水・新清水・箱清水・焼清水・うばこ清水などがその例です。そしてシズのそばがシズバタ(清水端)であり、そこに屋敷があればシズヤシキ(清水屋敷)の屋号が生じるわけです。
低地の中に孤立した微高地を中島と呼んでいます。大水であたりが水びたしになった時でも、ここだけは水がのらないために島のようにみえるところからこのようによばれているのでしょう。
あたりより高い場所(多くは自然堤防)に水田が開かれると、高田・岡田・作岡などの地名で呼ばれるようになります。また、台地の上部をワダイ(上台)と称し、山麓や山腹にひろげた平地をワヤマ(上山・和山)と呼ぶ場合もあります。
くぼ地を意味する語に、ホラ(洞)とクボ(久保)とウドがあります。高洞・竹洞・七久保・久保屋敷・久保田・ウド坂などはいずれもこれと関連があるものです。
谷川が急に平坦地に出て流れがゆるやかになると、上流から運んできた土砂を堆積して川原を形成しますがここをカブクロ(川袋)といっています。
−−−佐藤 正雄(故人)−−−

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