カモシカの保護と対応について/紫波町

カモシカの保護と対応について/紫波町

カモシカの保護の現状

ニホンカモシカ(以下「カモシカ」)は、旧来から狩猟の対象となっていましたが、個体数の減少が懸念されるようになり、文化財保護法に基づき、日本固有の種として国の特別天然記念物に指定されています。

カモシカの保護対策が講じられた結果、里山周辺のみならず市街地においてもカモシカが出現するほどに個体数の回復が進みましたが、一方で人目にふれることが多くなったことで、ケガや病気のカモシカ、幼獣のカモシカが保護される事例が増えてきています。

カモシカ

カモシカの特徴

形態

カモシカの体重は成獣でおよそ30キログラムから40キログラムであり、シカよりやや小型です。長い体毛に覆われ、毛の色は灰色、白色、黒色、灰褐色など様々な変異があります。オス・メスともに12センチメートルから15センチメートルの角を有しています。角の基部に輪があり、年齢とともに増加(毎冬形成)します。寿命は15年程度ですが、20年以上生きる個体もあります。飼育下での最高齢は33歳です。

生息域

生息域はおおよそブナ・ミズナラ林の分布と一致しており、シカが低山帯・里山の動物であるのに対して、カモシカは基本的に低山帯上部から亜高山帯に分布する森林性の動物です。多種多様な植物(低木の葉、芽、小枝、花、実、ササ、草木)を食べますが、一定の範囲を移動しながら嗜好性の高い植物を選択的に食べる傾向があります。主に早朝と夕方に採餌します。

習性

カモシカは1頭1頭が単独で生活する社会構造を持ち、群れができることは希です。子連れや繁殖期のペアが見られる程度です。また、1頭ずつ一定の場所に定着して同一行動圏を維持する、いわゆる「なわばり」を持つ動物で同じ場所でよく見られます。なわばりは生息地の状況によって異なりますが、概ね10ヘクタールから50ヘクタールです。

生息密度の上限が低いため、シカと比較して自然植生に対して強い影響は与えないと考えられています。

繁殖

発情期は10月から12月です。4月から6月頃に仔が産まれ、仔は出生の翌年の春まで母親と行動をともにします。

【参考】岩手県,平成29年3月「第4次カモシカ管理計画」

カモシカに出会ったら

基本的にはおとなしい性格であるとされていますが、場合によって人間に危害を加えることがあります。下記を参考に対応をお願いします。

生きたカモシカの場合

怪我や病気もなく自力で立っており、元気な場合はしばらく様子を見守ってください。基本的にカモシカは人を襲わない動物で、帰巣本能もあるので、山に帰る道筋がわかれば立ち去ると思われます。

原則、捕獲は行いませんが、自力で山へ戻ること困難な様子の際、交通安全上問題がある場合は保護も検討するので下記担当課へ連絡してください。

興奮すると突進してくる場合があります。

必要以上に近づかず、刺激しないようにしてください。

死んだカモシカの場合

個体の調査をする必要がありますので、交通上支障がある場合以外は動かさず、紫波町教育委員会生涯学習課(電話:019-672-5243、土日祝は019-672-2111)までご連絡をお願いします。

子どものカモシカの場合

1頭でいるように見える場合も、親が近くにおり人の接近を警戒して姿を見せない場合がほとんどです。幼獣は、一度保護してしまうと野生復帰が困難になるので近づかないようにしてください。

この記事に関するお問い合わせ先

生涯学習課 生涯学習係

〒028-3392

岩手県紫波郡

紫波町紫波中央駅前二丁目3-1

電話:019-672-5243(直通)

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