平井家住宅

平井家住宅

指定区分

国指定重要文化財(建造物)

年代

大正

数量

6棟

指定年月日

平成28年(2016)2月9日

所在地

岩手県紫波郡紫波町日詰字郡山駅246番地2

 

解説

平井家住宅は、近世初頭に当地に来住した商家、平井家(屋号「伊勢屋」)の所有する近代和風建築の住宅で、12代平井六右衛門によって大正10年(1921)に完成しました。新築祝の宴席は8月14日に催され、当時の首相原敬も出席したことが「原敬日記」に記されています。

建物は日詰商店街の南端に位置し、街道に面した主屋1階の店舗や通り土間は伝統的な町家構造である一方、ガラス窓を多用した外観や2階の大広間、トラス構造を導入し浅瓦と鉄板を組み合わせた変化に富む屋根など、伝統的な構造の中に近代的意匠と技術が随所に導入されています。敷地内には、土蔵とともにレンガ造の蔵や敷地を囲う長大なレンガ塀などが一体的に残っており近代初頭の当地における防火意識の高まりを読み取ることができます。

建造物としての価値はもとより、平井家の来歴は紫波町の地域性や経済活動とも深い関わりをもち、内在する歴史的価値も非常に大きいものがあります。寛文年間、盛岡藩から八戸藩が成立すると、米産地である志和4ヶ村(現紫波町志和地区)は飛び地として八戸領となりました。伊勢屋は、江戸へ移出される志和産米の保管と移送を行う八戸藩御蔵宿に指定され、御蔵宿制度の廃止までその任にあたりました。業務は廻米関係の文書収受、代官所や御蔵との連絡調整をはじめ、船頭の連絡手配など多岐に及びました。併せて、士分相手の宿屋、明和年間からは醸造業も営み近代以降はこれを主生業とし域内の杜氏を雇い入れました。杜氏たちは年越しに地域の鎮守である志賀理和氣神社(赤石神社)へ「裸参り」をして精進潔斎し酒造成就を祈願したと伝えられます。

南部杜氏の一大拠点としての紫波の産業と民俗、北上川舟運や街道の中継点であった紫波の交通環境、八戸藩の飛び地を内包した政治史、これら近世から近代の多様な歴史的背景を今に伝える平井家住宅は、町内の歴史文化の結節点となりうる文化財といえます。

平井家住宅調査報告書

以下のリンクより「平井家住宅調査報告書」のデータ(PDF)をダウンロードできます。

平井家住宅調査報告書(PDF:6.4MB)

この記事に関するお問い合わせ先

生涯学習課 学習推進室
〒028-3392
岩手県紫波郡
紫波町紫波中央駅前二丁目3-1
電話:019-672-5243(直通)
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