ふるさと物語 69 正月の行事/紫波町

ふるさと物語 69 正月の行事/紫波町

「ふるさと物語」【69】〈昭和45年1月10日発行「広報しわ」(第174)〉

「広報しわ」に掲載された記事を原文のまま転載する形式により、紫波町の歴史や人物について読み物風に紹介しています。
(第1回昭和37年3月号から第201回昭和56年4月5日号まで掲載)
そのため、現在においては不適切とされる表現や歴史認識がある場合がありますのでご了承願います。

正月の行事

元旦にはその家の主人か長男が早朝に起きて手桶に若水をくみ、これを土間のうすの上にあげて拝む習慣でした。
二日には鏡礼と称して、町の取引先に鏡もちを持って年始礼にいきました。
三日は三元日といって、お供えもち開きをしました。
五日は五元日といい、神社に参詣するならわしでした。
七日は門松を納めて七草かゆをたべました。早朝、七草をまな板にのせてたたきながら、「唐土(からど)の鳥と日本の鳥と、渡らぬさきに何草たたく、七草たたく」とはやす習慣でした。
八日は野立ちと称して仕事始めの日です。この日、仕事の着手が隣家より早ければ、年中の農事がすべて早まるといって、競争する風習がありました。
十一日は肥負い(こえしい)といって、朝食の前に馬屋の肥を吉方の田に運び出す習慣でした。
十五日は小正月の年取りです。夕食前に田植と称してワラ・マメカラなどを苗のように雪の上にさしました。また、マメカラで家中をはきながら、「がいきはなだれ、やんまいやく病びょうやく病、ねこものはれものびんぼう神ふんではれ、福の神うちにおんでアれ」と唱え、次に戸外へでて「夜鳥ほえほえ、朝鳥ほえほえ、あんまり悪い鳥は、頭わって塩つけて塩俵にぶっこんで、堂の前さぶっとばせ」といいながら夜鳥を追いました。
このほか、オオカミ追いといって終日ほら貝を吹く習慣があったし、夜には「あきの方から田植えにきたからお祝ってくなせ」といいながらもちを貰ってあるく風習もありました。
なお、この日はミヅキやクリノキの枝にもちやだんごをさして飾りました。
十六日は鳥の巣あぶりと称し、かれ枝を拾ってきてもちを焼きかゆに入れてたべました。
二十日は二十日正月です。アワ刈りといって、十五日に飾ったマユッコ(だんご)やアワボを取り除き、かゆに入れてたべました。
−−−佐藤 正雄(故人)−−−

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