ふるさと物語 80 『坊主石の話』昔話と伝説(11)

「ふるさと物語」【80】〈昭和46年3月10日発行「広報しわ」(第188)〉

「広報しわ」に掲載された記事を原文のまま転載する形式により、紫波町の歴史や人物について読み物風に紹介しています。
(第1回昭和37年3月号から第201回昭和56年4月5日号まで掲載)
そのため、現在においては不適切とされる表現や歴史認識がある場合がありますのでご了承願います。

『坊主石の話』 昔話と伝説(11)

むかし、山屋の長が森というところに、長岩寺という女人禁制のお寺がありました。
ある時、この寺に一人のいたこがやってきて、おこもりをさせてくれとたのみました。おしょうさんはかたく断りましたが、いたこはこれをききいれないでむりやり本堂にはいりこみました。ところが、そのとたん、にわかに大風が吹きおこって、おしょうさんもいたこも共に吹きとばされてしまいました。そして、二人は等身火の石になってしまいましたが、村の人たちは、前者を坊主石、後者をいたこ石とよぶようになりました。それから間もないころ、山屋川の流域に限って、毎日のように大雨がふり続きました。
ある日、村人がこの川ばたを通うたところ、川の中にくだんの坊主石が落ちこんでいるのをみつけました。これを聞いた村人たちは、このように大雨がふり続くのは、きっと坊主石のたたりに違いないということになり、急いで坊主石を川から引き上げました。そのとたん、不思議にも雨はぴたりとやみましたが、それだけではなく、その時坊主石に最初に手をつけた者が三年ほどでぽっくり死んでしまいました。
その後も、坊主石はたびたび川にころがりこんでいましたが、いつもそれを引き上げないうちは雨がふり続きました。そして、それを引き上げるために最初に手をかけた者は、いずれも三年以内で死んでしまいました。
そのため、いつのころからか、川から離れた人目いつきやすい洞の畠のまん中に置かれるようになりました。そして、日照り続きの時には、この石を川に引きずりこんで、雨ごいをするようになりました。そうすると、必ずこの川の流域だけに大雨がふって村人が助かったといわれます。そのため別の名を雨ごい地蔵ともいっています。
また、一説によると、寺の坊さんが石になったのは、寺のふもとにいたこ石という石があり、それが美しい女にばけて出たため、つい見とれてころがり落ちたからだといわれています。
−−−佐藤 正雄(故人)−−−

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