第37号「紫波町水分地区における地域計画策定経過」最終更新日:2025年04月02日
農業経営基盤強化促進法の改正に伴い、令和6年度中に全国の市町村で地域農業経営基盤強化促進計画(以下「地域計画」という。)を策定することとなり、紫波町では26地区の地域計画を策定しました。
策定に係る時間が限られたことと各地域での地域計画に対する関心に大きな差があったことから、地域との協議経過や策定された地域計画には熟度に差があります。
本報告書で取り上げる水分地区では、町内で唯一独自に、水分地区地域計画策定委員会(以下「策定委員会」という。)を設置し、水分地区で独自に営農意向調査と経営規模拡大意向経営体のインタビュー調査を実施し、地域計画を作成しました。
策定委員会で実施した営農意向調査は、紫波町農政課が実施した営農意向調査の項目と異なり、自分の代で農業をやめるという選択肢を設けるとともに、今後の水田農業のあり方についての項目を加えているため、将来の地域農業のあり方についてより詳しい分析が可能となりました。
また、今後の地域の農地の受け皿となる経営規模拡大意向を持つ法人や認定農業者にインタビュー調査を実施し、経営規模拡大にあたっての課題と課題解決のための検討視点を明らかにすることが出来ました。
策定委員会では、計画策定までに準備会、幹事会、委員会、全体説明会等約30回の打ち合わせ会を実施するなど、計画策定のために多くの時間と労力をかけています。
水分地区において、このような取組が可能だった理由は、①既に水分地区全体を包含する形で運営されていた水分営農組合があったことから、水分営農組合を母体として地域計画について組織的に意思決定するための策定委員会を設立することが可能であったこと。
②策定委員会の会長である農業委員が地域の将来の農業への危機感と地域農業が目指すべき姿のイメージを持っていたこと。③事務局長の水分営農組合長が水分地区全体の農業の実態と構成員の経営実態を熟知していたことが考えられます。
ちなみに農政課では、策定委員会の各打ち合わせに3名の職員が対応し、協議の場を設営するとともに、統計データの分析、農地の需給見通し、営農意向調査結果分析、経営規模拡大意向経営体のインタビュー調査結果分析、うるち米ともち米の経済性比較試算、目標地図の作成等の支援を行いました。
水分地区における地域計画の策定経過は、今後の各地区の地域計画の見直し作業の参考になる事例と考えられることから、報告書にまとめて公表するものです。
本報告書を各地区の地域計画の見直し作業に役立てていただければ幸いです。
報告書は以下のタイトルをクリックするとご覧いただけます。
37号「紫波町水分地区における地域計画策定経過」2025.4.2公開版.pdf
調査・研究
第37号「紫波町水分地区における地域計画策定経過」
第36号「地域計画作成支援と6年間の活動振返り」
第35号「紫波町水分地区の担い手及び農地の見通しと今後の対応方向」
第34号「紫波町における地域・年齢別基幹的農業従事者割合」
産業政策監調査研究報告分類別一覧表について
産業政策監調査研究報告第33号「地域農業持続のためのグランドデザイン」
第32号「地域計画作成に向け想定する水田作経営の担い手の姿と確保方策」
産業政策監調査研究報告第31号「紫波町の地域計画作成に向けた農業経営の意向調査の分析Ⅱ」
産業政策監調査研究報告第30号「紫波町の地域計画作成に向けた農業経営の意向調査の分析Ⅰ」
産業政策監調査研究報告第29号「地域計画作成に向けた集落営農実態調査の分析」
産業政策監調査研究報告第28号「2020年農林業センサス紫波町農業集落別データブック」
産業政策監調査研究報告第27号「地域計画作成に向けた認定農業者の分析と農地の需給見通し」
産業政策監調査研究報告第26号「地域計画作成に向けた農林業センサスの分析」
産業政策監調査研究報告第25号「産業政策監におけるEBPMとアジャイル型プロジェクト」
産業政策監調査研究報告第24号「紫波町の農業の担い手確保に向けた統計分析と対応方向」
産業政策監の農村政策フェロー小川勝弘が東北農業経済学会学会賞を受賞しました。
産業政策監調査研究報告第23号「地域計画作成に向けた農地の需給見通しとリーディングプロジェクト」
産業政策監調査研究報告第22号「紫波町の作物別経営体数と作付面積の推移と見通し」
産業政策監調査研究報告第21号「紫波町の認定農業者の特徴と農地の需給見通し」
産業政策監調査研究報告第20号「子実用トウモロコシ産地化の課題と対応方向」
産業政策監調査研究報告第12号「紫波町における子実用トウモロコシ産地化の取組状況」(令和3年度実績)
産業政策監調査研究報告第13号「農村政策フェロー3年間の活動実績」
産業政策監調査研究報告第14号「地産地消が地域経済と二酸化炭素削減に及ぼす効果の試算」
産業政策監調査研究報告第15号「紫波町の集落営農の特徴と今後の方向」
産業政策監調査研究報告第16号「畑に見いだす新たな価値」
産業政策監調査研究報告第17号「地域の農地を一元的に管理する管理主体の創設」
産業政策監調査研究報告第18号「財務諸表から見た紫波町の集落営農の展開方向」
産業政策監調査研究報告第19号「紫波町の新たな農業の取組みと農村政策フェローのジャンル確立」
産業政策監調査研究報告第1号「紫波町認定農業者の定量的分析と農地の需要見通し」
産業政策監調査研究報告第2号「紫波町の農業経営体数の予測と農地の需給見通し」
産業政策監調査研究報告第3号「農業体験農園シンポジウムの開催状況」
産業政策監調査研究報告第4号「古館農業体験農園の取組状況と盛岡市市民の農業体験農園の意向」
産業政策監調査研究報告第5号「紫波町の農業生産構造動向分析」
産業政策監調査研究報告第6号「農村政策フェローの活動状況」
産業政策監調査研究報告第7号「紫波町における子実用トウモロコシ産地化の取組状況」
産業政策監調査研究報告第8号「紫波町における旧町村別農業生産構造の特徴と人・農地プランの実践」
産業政策監調査研究報告第9号「紫波町の旧町村別農業生産構造の動向分析と今後の農業振興策の考え方」
産業政策監調査研究報告第10号「畑からはじまる心地よい暮らしの集い開催状況」~畑を利用して活動している各団体の活動内容~
産業政策監調査研究報告第11号「紫波町における人・農地プランの取組状況」