第38号「紫波町におけるビール用大麦生産の取組経過」最終更新日:2025年05月07日
2025年4月9日に紫波町産の麦芽100%で醸造された「つなぐビール」が(株)ベアレン醸造所から発売されました。「つなぐビール」は、岩手大学クラフトビール部と(株)ベアレン醸造所の「つなぐビールプロジェクト」に紫波町の生産者が参加して実現したものです。
「つなぐビールプロジェクト」とは、岩手大学クラフトビール部が農業者の高齢化で増加する耕作放棄地を解消するために、国内自給率が低いビール用大麦を県内で生産拡大し、(株)ベアレン醸造所で県産原料100%のビールをつくるというものです。
本報告書は、「つなぐビール」の原料となるビール用大麦の生産から販売に至るまでに紫波町役場で取り組んだことを中心に取りまとめたものです。
2021年4月に紫波町で開催した酒の学校オープンキャンパスで岩手大学クラフトビール部が活動状況を紹介してから、「つなぐビール」として通年販売できるようになるまでに4年間を要しています。この間、紫波町役場の関係課で以下の取り組みを行ってきました。
産業政策監:クラフトビール用大麦(以下、ビール用大麦という。)生産の経済性評価実施
(栽培技術体系作成、経営収支試算等)
東北農業研究センター視察研修会開催(岩手大学クラフトビール部5名参加)
農政課:ビール用大麦栽培実証試験農地の確保、栽培実証試験支援、
乾燥調製施設整備補助事業活用支援
商工観光課:酒のまち紫波推進ビジョン作成、はじまりの学校始動
企画課:酒の学校オープンキャンパス開催(岩手大学クラフトビール部活動紹介)、
ふるさと納税返礼品登録
産業政策監調査研究は、紫波町の農政課題を解決する施策の立案に資するための資料として位置づけていることから、紫波町でビール用大麦の栽培に取り組むかどうかの判断材料として、公開されている既存のデータをもとに多くの前提を置いて試算したものです。試算結果は、おおよその傾向としてご覧ください。
本報告書に掲載している「小春二条」、「もちしずか」、「もち姫」は、すべて国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 東北農業研究センターで育成されたものですので記してお礼を申し上げます。特にも「小春二条」は、耐寒性、耐雪性に優れ紫波町でもビール用大麦の栽培を可能にした品種です。
本報告書を産学官連携による特産品の開発の1事例として参考にしていただければ幸いです。
報告書の全文は以下をクリックするとご覧いただけます。
38号「紫波町におけるビール用大麦生産の取組経過」2025.5.7公開用.pdf
調査・研究
第38号「紫波町におけるビール用大麦生産の取組経過」
第37号「紫波町水分地区における地域計画策定経過」
第36号「地域計画作成支援と6年間の活動振返り」
第35号「紫波町水分地区の担い手及び農地の見通しと今後の対応方向」
第34号「紫波町における地域・年齢別基幹的農業従事者割合」
産業政策監調査研究報告分類別一覧表について
産業政策監調査研究報告第33号「地域農業持続のためのグランドデザイン」
第32号「地域計画作成に向け想定する水田作経営の担い手の姿と確保方策」
産業政策監調査研究報告第31号「紫波町の地域計画作成に向けた農業経営の意向調査の分析Ⅱ」
産業政策監調査研究報告第30号「紫波町の地域計画作成に向けた農業経営の意向調査の分析Ⅰ」
産業政策監調査研究報告第29号「地域計画作成に向けた集落営農実態調査の分析」
産業政策監調査研究報告第28号「2020年農林業センサス紫波町農業集落別データブック」
産業政策監調査研究報告第27号「地域計画作成に向けた認定農業者の分析と農地の需給見通し」
産業政策監調査研究報告第26号「地域計画作成に向けた農林業センサスの分析」
産業政策監調査研究報告第25号「産業政策監におけるEBPMとアジャイル型プロジェクト」
産業政策監調査研究報告第24号「紫波町の農業の担い手確保に向けた統計分析と対応方向」
産業政策監の農村政策フェロー小川勝弘が東北農業経済学会学会賞を受賞しました。
産業政策監調査研究報告第23号「地域計画作成に向けた農地の需給見通しとリーディングプロジェクト」
産業政策監調査研究報告第22号「紫波町の作物別経営体数と作付面積の推移と見通し」
産業政策監調査研究報告第21号「紫波町の認定農業者の特徴と農地の需給見通し」
産業政策監調査研究報告第20号「子実用トウモロコシ産地化の課題と対応方向」
産業政策監調査研究報告第12号「紫波町における子実用トウモロコシ産地化の取組状況」(令和3年度実績)
産業政策監調査研究報告第13号「農村政策フェロー3年間の活動実績」
産業政策監調査研究報告第14号「地産地消が地域経済と二酸化炭素削減に及ぼす効果の試算」
産業政策監調査研究報告第15号「紫波町の集落営農の特徴と今後の方向」
産業政策監調査研究報告第16号「畑に見いだす新たな価値」
産業政策監調査研究報告第17号「地域の農地を一元的に管理する管理主体の創設」
産業政策監調査研究報告第18号「財務諸表から見た紫波町の集落営農の展開方向」
産業政策監調査研究報告第19号「紫波町の新たな農業の取組みと農村政策フェローのジャンル確立」
産業政策監調査研究報告第1号「紫波町認定農業者の定量的分析と農地の需要見通し」
産業政策監調査研究報告第2号「紫波町の農業経営体数の予測と農地の需給見通し」
産業政策監調査研究報告第3号「農業体験農園シンポジウムの開催状況」
産業政策監調査研究報告第4号「古館農業体験農園の取組状況と盛岡市市民の農業体験農園の意向」
産業政策監調査研究報告第5号「紫波町の農業生産構造動向分析」
産業政策監調査研究報告第6号「農村政策フェローの活動状況」
産業政策監調査研究報告第7号「紫波町における子実用トウモロコシ産地化の取組状況」
産業政策監調査研究報告第8号「紫波町における旧町村別農業生産構造の特徴と人・農地プランの実践」
産業政策監調査研究報告第9号「紫波町の旧町村別農業生産構造の動向分析と今後の農業振興策の考え方」
産業政策監調査研究報告第10号「畑からはじまる心地よい暮らしの集い開催状況」~畑を利用して活動している各団体の活動内容~
産業政策監調査研究報告第11号「紫波町における人・農地プランの取組状況」