第41号「紫波町における地域計画策定経過と今後の展開方向」最終更新日:2026年01月20日
本報告書は秋田県で開催される令和7年度第2回地域計画推進全県研修会で「紫波町における地域計画策
定経過と今後の展開方向」と題して報告する機会があったことから、主にこれまで公表してきた産業政策監
調査研究報告の内容を再編集し研修会資料としてとりまとめたものです。なお、今回新たに加えた内容は次
の通りです。
①全国の農業経営体数と経営面積の見通し
紫波町の予測値と農林水産省が公表している2030年の見通しを比較し、ほぼ同一の傾向であることを確
認しました。
紫波町と全国の予測値が類似するのは、基幹的農業従事者の年齢構成が全国的にほぼ同じであるためと
考えられます。その要因として、1971年~1974年の第二次ベビーブーム以降の一貫した人口減少、1990年
以降の一貫した米価の下落による収益の悪化、1986年~1991年のバブル期の高い有効求人倍率による農業
後継者の他産業への就職が考えられます。
②秋田県の農業経営体数と供給農地の予測値
これまで活用してきた農業経営体数と供給農地の予測値の妥当性と地域性を検討するために、秋田県と
岩手県の予測値と秋田市、大仙市、鹿角市、紫波町の予測値を比較しました。
県・市町村レベルでの予測値は、ほぼ同じ傾向でしたが、旧町村別では減少率に差がみられました。減
少率の差は、地域の主作物の基幹的農業従事者の年齢構成の差によるものと推察されました。
この旧町村ごとの地域差が地域計画を見直す際の着眼点になると考えられます。
③今後の展開方向
地域計画で課題となっている白地農地の解消という農地問題は、結局のところ担い手問題と農業振興問
題であることを整理しました。(白地農地とは将来の引き受け手が決まっていない農地)
農業収益悪化⇒農外への就業⇒農業の担い手減少⇒離農農家から農地が供給⇒引き受け手不在
⇒白地農地発生
④今後想定される担い手の姿
想定される担い手の姿を描き出した根拠となる生産構造の変化について次の分析結果を追加しました。
水稲作付面積規模別水稲作付面積の集積状況、集落営農の動向、新規就農者の動向、
認定農業者の状況、臨時雇用の動向、農家数の動向、水稲作業受託経営体数の動向
⑤地域計画の課題と今後の対応方向
実際に地域計画を作成する上で課題となった点は、計画策定範囲の定義があいまい、地域での組織的意
思決定主体の不在、策定手法が地域の実情に合わない、膨大な事務量に対するマンパワーの不足が挙げら
れます。
対応方向として、地域で組織的意思決定ができる主体の創設、白地農地解消から地域農業振興中心の議
論、地域特性の尊重、地方交付税での市町村への財政措置が挙げられます。
なお、報告書中の「2.今後の展開方向」に記載している「④想定される担い手の確保方策の考え方」「⑤
タイプ別新規就農者確保方策の考え方」は、現時点では町として組織的にオーソライズされているもので
はなく、今後の検討素案として記載しているものです。
本報告書を各地区で地域計画の見直しにあたって役立てていただければ幸いです。
本報告書は、研修会資料として作成したスライドをそのまま掲載していますが、表紙の画像と要約は
googleの生成AI GeminiとNotebookLMを用いて作成しています。
報告書は以下をクリックするとご覧いただけます。
目次の項目をクリックすると掲載ページに移動します。
第41号「紫波町における地域計画策定経過と今後の展開方向」2026.1.20公開版.pdf
調査・研究
第41号「紫波町における地域計画策定経過と今後の展開方向」
第40号「生成AIを活用したリンゴ作経営の雇用労働力確保対策のケーススタディ」
第39号「農地中間管理事業を活用した農地の一元的管理の考え方」
第38号「紫波町におけるビール用大麦生産の取組経過」
第37号「紫波町水分地区における地域計画策定経過」
第36号「地域計画作成支援と6年間の活動振返り」
第35号「紫波町水分地区の担い手及び農地の見通しと今後の対応方向」
第34号「紫波町における地域・年齢別基幹的農業従事者割合」
産業政策監調査研究報告分類別一覧表について
産業政策監調査研究報告第33号「地域農業持続のためのグランドデザイン」
第32号「地域計画作成に向け想定する水田作経営の担い手の姿と確保方策」
産業政策監調査研究報告第31号「紫波町の地域計画作成に向けた農業経営の意向調査の分析Ⅱ」
産業政策監調査研究報告第30号「紫波町の地域計画作成に向けた農業経営の意向調査の分析Ⅰ」
産業政策監調査研究報告第29号「地域計画作成に向けた集落営農実態調査の分析」
産業政策監調査研究報告第28号「2020年農林業センサス紫波町農業集落別データブック」
産業政策監調査研究報告第27号「地域計画作成に向けた認定農業者の分析と農地の需給見通し」
産業政策監調査研究報告第26号「地域計画作成に向けた農林業センサスの分析」
産業政策監調査研究報告第25号「産業政策監におけるEBPMとアジャイル型プロジェクト」
産業政策監調査研究報告第24号「紫波町の農業の担い手確保に向けた統計分析と対応方向」
産業政策監の農村政策フェロー小川勝弘が東北農業経済学会学会賞を受賞しました。
産業政策監調査研究報告第23号「地域計画作成に向けた農地の需給見通しとリーディングプロジェクト」
産業政策監調査研究報告第22号「紫波町の作物別経営体数と作付面積の推移と見通し」
産業政策監調査研究報告第21号「紫波町の認定農業者の特徴と農地の需給見通し」
産業政策監調査研究報告第20号「子実用トウモロコシ産地化の課題と対応方向」
産業政策監調査研究報告第12号「紫波町における子実用トウモロコシ産地化の取組状況」(令和3年度実績)
産業政策監調査研究報告第13号「農村政策フェロー3年間の活動実績」
産業政策監調査研究報告第14号「地産地消が地域経済と二酸化炭素削減に及ぼす効果の試算」
産業政策監調査研究報告第15号「紫波町の集落営農の特徴と今後の方向」
産業政策監調査研究報告第16号「畑に見いだす新たな価値」
産業政策監調査研究報告第17号「地域の農地を一元的に管理する管理主体の創設」
産業政策監調査研究報告第18号「財務諸表から見た紫波町の集落営農の展開方向」
産業政策監調査研究報告第19号「紫波町の新たな農業の取組みと農村政策フェローのジャンル確立」
産業政策監調査研究報告第1号「紫波町認定農業者の定量的分析と農地の需要見通し」
産業政策監調査研究報告第2号「紫波町の農業経営体数の予測と農地の需給見通し」
産業政策監調査研究報告第3号「農業体験農園シンポジウムの開催状況」
産業政策監調査研究報告第4号「古館農業体験農園の取組状況と盛岡市市民の農業体験農園の意向」
産業政策監調査研究報告第5号「紫波町の農業生産構造動向分析」
産業政策監調査研究報告第6号「農村政策フェローの活動状況」
産業政策監調査研究報告第7号「紫波町における子実用トウモロコシ産地化の取組状況」
産業政策監調査研究報告第8号「紫波町における旧町村別農業生産構造の特徴と人・農地プランの実践」
産業政策監調査研究報告第9号「紫波町の旧町村別農業生産構造の動向分析と今後の農業振興策の考え方」
産業政策監調査研究報告第10号「畑からはじまる心地よい暮らしの集い開催状況」~畑を利用して活動している各団体の活動内容~
産業政策監調査研究報告第11号「紫波町における人・農地プランの取組状況」
