第44号「紫波町における地域計画策定経過と実現に向けた取組」最終更新日:2026年05月11日
本報告書は、宮城県が主催する「地域計画実現促進研修会」の中で「紫波町における地域計画策定経過と実現に向けた取組」と題して講演する機会があったことから、主にこれまで公表してきた産業政策監調査研究報告の内容を再編集し研修会資料としてとりまとめたものです。
地域計画は、2025年3月末の法定期限までに、全国の農業振興地域のほぼすべてで初回の「地域計画」および「目標地図」の策定が完了し、2026年4月現在では18,894地区で地域計画が策定されています。策定された計画のうち、10年後の農地利用を示す「目標地図」において、「後継者が決まっていない農地」が全体の約3割(約134万ha)に上ることが判明しています。この「受け手不在」の農地をいかに集約・集積するかが大きな課題とされ、国では、これらの計画を実情に合わせて毎年見直す「ブラッシュアップ」を全国で進めています。
本報告書では、受け手不在の農地(以下白地農地という。)が発生する原因は、農業収益の悪化→農業後継者の他産業への就職→農業従事者の高齢化・担い手不足→供給農地増加→白地農地の発生ととらえています。
このため、白地農地の解消は、白地農地そのものをどうするかという対症療法的な対策では解決が難しく、農業の収益性をどうやって向上させるかという対因療法的な対策を講じることが必要と考えています。
したがって、本報告書では、地域計画そのもののブラッシュアップや計画の実現をどうするかということについては直接的に言及していません。対因療法につながる農業収益向上対策として試行しているリーディングプロジェクトの紹介と農政課としてモデル的にかかわっている地区を紹介しています。
今回の講演にあたり新たに加えた内容は次の通りです。
〇宮城県の農業経営体数と供給農地の予測値
東北各県の農家残存率(2035年の個人経営経営体数÷2020年の個人経営体数)
山形県57%>青森県53%>福島県49%>宮城県46%>岩手県43%>秋田県39%
全国的には稲作地域の農家残存率が低いのに対し、宮城県の農家残存率は平坦水田地域(稲作地帯)
で農家残存率が高く、混住兼業地域の残存率が低い特徴があります。
〇地域計画の実現に向けた取組
今回紹介している地域計画の位置づけと主な取組状況は次の通りです。
水分地区(平坦水田地域):紫波町のフラッグシップとしてロードマップに基づき自律的に活動
赤石地区(混住兼業地域):担い手の減少が著しい地域での農地需給ミスマッチ解消策検討
佐比内地区(丘陵果樹地域):高齢化が著しい中山間地域での水田の管理主体の創設
地域計画ごとの地域特性と具体的な内容については、表1地域計画の地域特性と具体的な取組内容を参照して ください。
〇生成AIを活用したグラフィック化
講演内容を理解しやすくするため、講演の基となっている産業政策監調査研究報告をNotebookLMを活用しグ ラフィック化しています。作成されたグラフィックには、不正確なところもあるので、正確な数字や解説については、表2関連する産業政策監調査研究報告一覧に掲げている報告書を参照してください。
本報告書を地域計画の見直しの際の参考資料としていただければ幸いです。
報告書の本文は以下のファイルをクリックするとご覧いただけます。
また、報告書の目次をクリックすると掲載個所をご覧いただけます。
第44号「紫波町における地域計画策定経過と実現に向けた取組」2026.5.11公開版.pdf
調査・研究
第44号「紫波町における地域計画策定経過と実現に向けた取組」
農村政策調査研究第43号「担い手の減少が著しい地域における農地継承方策の検討」
第42号「地域農業動向予測システムの地域計画での活用」
産業政策監調査研究報告一覧表(公表順、分類別)
第41号「紫波町における地域計画策定経過と今後の展開方向」
第40号「生成AIを活用したリンゴ作経営の雇用労働力確保対策のケーススタディ」
第39号「農地中間管理事業を活用した農地の一元的管理の考え方」
第38号「紫波町におけるビール用大麦生産の取組経過」
第37号「紫波町水分地区における地域計画策定経過」
第36号「地域計画作成支援と6年間の活動振返り」
第35号「紫波町水分地区の担い手及び農地の見通しと今後の対応方向」
第34号「紫波町における地域・年齢別基幹的農業従事者割合」
産業政策監調査研究報告分類別一覧表について
産業政策監調査研究報告第33号「地域農業持続のためのグランドデザイン」
第32号「地域計画作成に向け想定する水田作経営の担い手の姿と確保方策」
産業政策監調査研究報告第31号「紫波町の地域計画作成に向けた農業経営の意向調査の分析Ⅱ」
産業政策監調査研究報告第30号「紫波町の地域計画作成に向けた農業経営の意向調査の分析Ⅰ」
産業政策監調査研究報告第29号「地域計画作成に向けた集落営農実態調査の分析」
産業政策監調査研究報告第28号「2020年農林業センサス紫波町農業集落別データブック」
産業政策監調査研究報告第27号「地域計画作成に向けた認定農業者の分析と農地の需給見通し」
産業政策監調査研究報告第26号「地域計画作成に向けた農林業センサスの分析」
産業政策監調査研究報告第25号「産業政策監におけるEBPMとアジャイル型プロジェクト」
産業政策監調査研究報告第24号「紫波町の農業の担い手確保に向けた統計分析と対応方向」
産業政策監の農村政策フェロー小川勝弘が東北農業経済学会学会賞を受賞しました。
産業政策監調査研究報告第23号「地域計画作成に向けた農地の需給見通しとリーディングプロジェクト」
産業政策監調査研究報告第22号「紫波町の作物別経営体数と作付面積の推移と見通し」
産業政策監調査研究報告第21号「紫波町の認定農業者の特徴と農地の需給見通し」
産業政策監調査研究報告第20号「子実用トウモロコシ産地化の課題と対応方向」
産業政策監調査研究報告第12号「紫波町における子実用トウモロコシ産地化の取組状況」(令和3年度実績)
産業政策監調査研究報告第13号「農村政策フェロー3年間の活動実績」
産業政策監調査研究報告第14号「地産地消が地域経済と二酸化炭素削減に及ぼす効果の試算」
産業政策監調査研究報告第15号「紫波町の集落営農の特徴と今後の方向」
産業政策監調査研究報告第16号「畑に見いだす新たな価値」
産業政策監調査研究報告第17号「地域の農地を一元的に管理する管理主体の創設」
産業政策監調査研究報告第18号「財務諸表から見た紫波町の集落営農の展開方向」
産業政策監調査研究報告第19号「紫波町の新たな農業の取組みと農村政策フェローのジャンル確立」
産業政策監調査研究報告第1号「紫波町認定農業者の定量的分析と農地の需要見通し」
産業政策監調査研究報告第2号「紫波町の農業経営体数の予測と農地の需給見通し」
産業政策監調査研究報告第3号「農業体験農園シンポジウムの開催状況」
産業政策監調査研究報告第4号「古館農業体験農園の取組状況と盛岡市市民の農業体験農園の意向」
産業政策監調査研究報告第5号「紫波町の農業生産構造動向分析」
産業政策監調査研究報告第6号「農村政策フェローの活動状況」
産業政策監調査研究報告第7号「紫波町における子実用トウモロコシ産地化の取組状況」
産業政策監調査研究報告第8号「紫波町における旧町村別農業生産構造の特徴と人・農地プランの実践」
産業政策監調査研究報告第9号「紫波町の旧町村別農業生産構造の動向分析と今後の農業振興策の考え方」
産業政策監調査研究報告第10号「畑からはじまる心地よい暮らしの集い開催状況」~畑を利用して活動している各団体の活動内容~
産業政策監調査研究報告第11号「紫波町における人・農地プランの取組状況」
